花見客で賑わう上野公園を抜けて、東京国立博物館へ行った。
「中宮寺 国宝 菩薩半跏像」の特別公開をしているのだ。
この菩薩様は、頭にお団子をつけたような髪型をしているので、私はこっそり
「おだんご様」と呼んでいる。
高校の修学旅行で見たおだんご様は、当時と変わらぬ微笑を浮かべているはず
なのだが、今回はじめて目にした時、涙の跡が行く筋も見えて、ちょっと
ひいた。。それでいて今日は特別ニッコリと笑っているように見えた。
不謹慎かもしれないが、今にも「くくくっ」と笑い転げそうな勢いなのだ。
飛鳥時代に作られたというおだんご様。ずっとずっと同じポーズで、どんな
気持ちで人々をながめてこられたのだろう。
気が遠くなるような長い年月。。。
高校生の時から、今までだって、私にとっては長すぎて、おだんご様に語り
切れないほどいろんなことがあったというのに。
それを全部知った上で、今日は特別ニッコリと微笑んでくれているのだって、
そんなこと、あるわけないのにそうだって信じてしまう。
それどころか、私に会いに、遠い斑鳩の里からやってきてくれたのかも、
なんて思ってしまっている。
おだんご様、失礼すぎてごめんなさい。
でもこんなにステキな春の日をありがとうございます。
【編集者の1行】
桜吹雪といえば、遠山のキンさん。