毎日が本番

ライフログ

 新入社員がやってくるというので、せっせと入社書類を準備した。
 住所届、年俸通知書、入社承諾書、身元保証書、など。
 かつて、私が新入社員だった頃も、労務の人や人事の人が、せっせと
 私の入社準備をしてくれたのだろうと当時のことを思い返した。


 当時の私の初々しさは並ではなかった。インターンなんてその頃なかったし
 バイトもたいしたことしてない私には、働くという意味がわかってなかった。
 会社へ入るということと、学校へ入るということの区別がどうしても
 つかなかったくらい、受身でどうしようもない子だった。


 それが人の入社書類を準備した上に、社則の説明とかをもっともらしく
 してしまうのだから、びっくりする。
 自分が新入社員だった頃わからなかったことも、あたりまえのように
 わかるようになっていることに気づく反面、ピュアな気持ちが失われて
 いたり、感性がにぶったりしているところもあるのだろう。


 もう一度、自分が新入社員に戻ったとしたら?
 頑張るだろうか。それとも要領よくやり過ごそうとするだろうか。
 五月病になってみるとか。寿退社しちゃうとか。
 どれもそれぞれ面白いかもしれない。



【編集者の2行】
 昨年と同じように、今年も桜が咲き出した。去年の桜とどう違うのか、
 毎日必死でながめるけれど、どうしてもわからない。