マウイの友人のJちゃんが、一時帰国した。東京生まれ、東京育ちの彼女は
私より半年ほど早くマウイの住人となり、今もまだマウイに住んでいる。
彼女と自分が妙に似ていることに気づいたのは、私が帰国する直前、ちょうど
今から1年半前のことだ。
マウイといえば、旅行者にとっては天国のような場所だ。ホノルルのような
喧騒もなく、自然の美しさ、スピリチュアルな山、海に沈む夕日、思い出すと
私だって思わずうっとりする。
ところが、Jちゃんも私も、何か不思議な孤独感、文化の違いから来る
不自然さに悩み、マウイにいる間は何かにとらわれたかのように、自由に
行動ができなくなるのだ。
そんな彼女が私の部屋に泊まりにきた。せっかく東京に来たのだから、
いろいろ買い物に行ったり、新しいレストランに行ったりしてもいいのだが
私たちに必要なのは、ひたすらしゃべることと食べることだった。
この日を狙って生牡蠣を取り寄せ、まずは生で食べる。そして鍋をセット
している間に、ささみをさっとゆがいてねり梅で食べる。ごはんは七穀を
加え、土鍋炊だ。
そして、延々と語り合う。っていうか、しゃべらなくても、通じる感じが
するので、どっちでもいいとさえ思う。
友人と一緒に泊まると、夜更かしするものだが、ふたりとも具合が悪いので
はないかと思うほどよく寝た。ソファベッドにちんまりと並んで寝て、ぴくり
とも動かず朝をむかえた。寝心地などよいはずないのに。
「お天気いいから明治神宮に散歩にいこうよ」「ちょうど来たかったんだ。
ここで結婚式したんだよ。マウイに行く前。」知らなかった。。。
遠くにいる時間が増えるほど、感じ方がますます似てくることに驚きながら、
拍手を打って、ふたりの幸せを祈った。
【編集者の2行】
今の現実こそ現実で、いま起こっていることが、いま起こっている。
意識を未来に向ける訓練。