参宮橋に「ビストロ KURIKURI」 という店がある。私と彼女のお気に入りの
場所だ。
はじめて訪れてから、かれこれ10年ほど経つのだろうか。
ここのお店には、本当に気心の知れた人としか来ない、というのが私と彼女の
暗黙の了解だ。
しかも、気心が知れているだけではダメで、「くりくりの空気」を感じることので
きる人でないと、一緒に行ってはいけないお店なのだ。
自分は大丈夫、と思っていそうな人でも、私と彼女からNGが出た人は数多い。
一度一緒に行って「いいお店だったね、またこようよ」と言われても、2度と一緒
に行くことのなかった人は、本当に多い。悲しいけれど、そういうお店なのだ。
東京に戻って数週間後、おそるおそるくりくりを訪ねた。
もう私も、くりくりにふさわしくない人になってしまったのでは、と不安な気持ち
でいっぱいだった。
ブルーのドアを開けると、テーブルの配置や、小物が多少変わっているものの、
いつもと変わらない空気がそこにあった。
絵本を見て、まずはデザートのミルフィーユを予約しておく。おっと、「絵本を
見て」というのは、絵本がメニューになっているからです。ちなみに。
そして、旬の野菜っぽい料理と、定番のクスクスを頼む。
「おひさしぶり。。」
なんと、3,4年ぶりだというのに、オーナーのYさんは、私たちを覚えていて
くれたのだ。なんという感動。。
今は、散歩しながら行くには、だいぶ遠いくりくりだけど、それでもまたあの空気
を感じに行きたい。
【編集者の2行】
今週末、【茶香間】というカフェでキッチンを担当します。いらした方にはもれなく
お土産にスコーンプレゼント!でも、突然じゃがいもになるかもしれません。