毎日が本番

ライフログ

手術かもしれない。

実家に、病理組織診断の書いてある手紙をファックスして、概要を電話で説明してから、病院に行った。
ポリペクトミーをして下さった先生が、悪性腫瘍をとったけれど、取りきれてない可能性があるから、手術した方がいいかもしれない、ついては大きな病院を紹介しましょう。と話して下さった。

電話だけではなんなので、実家まで出向き、状況を報告した。両親が内科医なので、たんたんと状況を報告した。ほとんど無症状であったことと、便潜血反応の経緯など。
心のどこかで、「癌は取れば治るし、取れば治るレベルのような気がする。」と思っていたので、動揺もせず、「おかあさん、どうしよう(泣)」なんていことも全くなく、たんたんと状況を報告した。まるで、うさぎの飼育日記を読んでいるかのように。

すると、「それはショックでしょう、、、」と、父こそがショックを受けた顔で言ったので、そのことが私には驚きだった。

医師である父が、病気に対して、診察の所見的なことを言うのでなく、感想(?)を言ったのは、私にとっては大きな驚きだったのだ。今までだったら、大腸癌のステージなんとかは、5年生存率が何パーセントだから云々、、みたいに言いそうだよなっと思っていたのに。

とまあ、そんな感じで、両親から特にどこの病院の誰先生に治してもらいなさい、という指示もなく、代々木のクリニックの先生が紹介して下さるままに、癌研有明病院に行くことになった。

ちなみに、母は、じっと押し黙っていた気がする。あんまり覚えてないけど。

10年以上前に、母も同病院が大塚にあった頃、入院したことがあったので、まあいいかな、というのもあったのかもしれない。
母は甲状腺の癌ということで入院して手術をしたのだが、退院時に私が担当医に話を聞きに行ったところ、「お母さんは自分でよく見つけたねえ。手で触ってみつけたんだってね。あんな小さな石灰質、普通みつけらんないよ。」とのこと。
「あれ??癌じゃないんですか?」と聞いたら、「え!?全然まだ大丈夫だよ。ほっておくと、癌になる可能性もある、っていうことで取っただけ。安心してくださいね」と言われた。
まあよかったのは当然なのだけれど、当時私は何か粗相をするにつけ「私は癌なんだからね!あんたは何やってんのよ!」と叱られていたので、かなーり、拍子抜けした。正直、なあーんだ!って思った。ごめんなさい。

だからだろうか、私は「癌だからどーのこーの」とは、思おうとしても、思えないのだ。それどころか「私、癌なんですけど」って言えないのだ。親にさえ。
どちらかというと「癌ですが、何か?」という感じだろうか。

とはいえ、心の底で、不安があることは確かで、この頃夜中によくいいようのない不安にかられていたのも事実。