赤坂郵便局前交差点。
新卒で入った会社の新入社員研修の頃、1ヶ月毎朝わたった交差点だ。
おはよう、と声をかけてくる同期は、仲間意識とライバル意識がまざった
オーラを放つので、当時の私は信号が赤になって待っているのが、ちょっと
こわかったものだ。
クライアント先に出向いていることが多い私は、そのその交差点を渡ると、
なんか不思議な感じがしたものだ。自分の会社なのに、ちょっとよく知らない
会社という感じで。
それでも、たまに出社した時にPちゃんと青山ツインのワゴンセールに
行くために渡る時など、わくわくしたものだった。
転職し、他の仕事に就いてからも、青山ツインのお料理教室に通うためとか、
カナダ大使館に用事があってとか、たびたびその交差点を渡る機会があった。
一度、当時わりと好きな人に偶然でくわし、運命かも!と思ったことさえ
あったことを今思い出した。
ハワイに行って、帰ってきてから、青山ツインで少し働いた。
またこの交差点のそばに来た、というわけだ。
今はまた、違うことをしているのだが、日々この交差点を自転車で渡っている。
全然違うことをしている全然違う私が、いつもこの交差点を渡っている。
突然、この交差点だけ過去に戻ったら?
私はうまく適応できるだろうか。
もし本当に過去に戻ったら、その時の小さい楽しみを本当に本当に味わい
ながら生きなおすだろう、とふと思った。
いつもいつも引き寄せられるこの交差点に、何があるのかは、ずっとわからない
かもしれないけれど。
【編集者の2行】
ひさしぶりにプログラムをモディファイしたら、すぐ動いてびっくりしたが、
なんか手がふるえた。