今年もまた正月に御岳山に登った。昨年は1月3日だったが、今年は元旦に
登った。別に気合が入っていたわけではなく、同行者の都合が元旦しか
つかなかったからだ。
6時50分に代々木で待ち合わせ、御岳山ロープウエイふもとに9時頃に到着。
もちろん今年もフリー行者のKさんと一緒だ。Kさんは昨年と同じく「サムエ」
に登山靴で、ほら貝をかかえている。
澄み渡る元旦の青空に、ほら貝が響き渡り、山々からこだまが返ってくる。
まずは御岳神社にお参りするが、ここはさっさと切り上げ、昨年は雪深く
たどりつけなかった「奥の院」を目指した。たしかに道は細く険しく、
昨年もし雪の中でトライしていたらと思うと恐ろしい。
名前から、すごく立派な場所を想像していたが、実際は「山の奥」にふさわ
しい、こじんまりと霊験あらたかなところだった。
Kさんは、私用に般若心経をコピーしてくれていたが、漢字が多すぎてよく
わからず、読経の間は今年もきょろきょろしながら手をあわせているしか
できなかった。
さらに足を伸ばし「大岳山」へ向かう。と言われてもよくわからないので、
とにかくKさんについてひたすら歩く。この冬は寒いはずなのだが、どんどん
汗をかいてきた。「汗をかかないように早めに脱いだほうがいいよ」と言わ
れた時は、もう遅かった。
「大岳山」の頂上から望む360度のパノラマは、この上もなく美しかった。
富士山が薄青く、思ったよりも大きく見えた。富士山は、近くに行けば岩が
ゴロゴロしているはずなのに、どうしてこんなに美しく幽玄で格調高いの
だろう。富士は日本一というが、富士山が日本一なのは、標高だけでなく、
その気高さにあるのだろうとあらためて思った。
大岳山を後にして、昨年も訪れた「綾広の滝」へ向かう。途中は「ロック
ガーデン」と呼ばれる、岩の美しさを楽しむ渓谷なのだが、昨年は雪に
まみれてそこに岩があることさえわからなかった。
「綾広の滝」へ降りつくと、なんと滝の80%が凍っていた。寒いはずだ。
昨年の5倍程も山道を歩きヘトヘトになったが、やはり気分は清々しかった。
心身ともに洗い清められ、新しい自分になった気がした。
山はいつも変わらずに、私に新しいエネルギーを与えてくれる。
2006年もこれできっと大丈夫だ。
【編集者の2行】
2006年になりましたね!私のまわりには「今年こそ!」という人が続出中。
「今年こそ!」って言ってしまうと全然実現しなさそうだ。