日曜に道場の稽古納め会があった。
昨年と同じように、金曜日に築地に買出しにでかけ、日曜の朝から野菜を
きざんだり魚をさばいたりして、支度をした。
昨年と同じ時間に最終稽古をした。昨年より多くの形を習ったので、それを
納め稽古で披露した。昨年よりもたくさん失敗した。それでも昨年より少し
違った技を使えるようになったのかも、と思った。
この1年、何回この道場に通ったことだろう。1年ちゃんと何かが続いたのは、
本当にひさしぶりだ。1年無事に何の迷いもなく続けられたことを、しみじみ
と振り返った。
昨年と同じように宴会が始まった。昨年との違いがほとんどない。一昨年との
違いも、きっとほとんどないのだろう。三十年、ここでほとんど同じことが
毎年毎年行われてきたのだ。
日本での生活にもやっと慣れた。日本で暮らしているということを意識せずに
すむようになったのだ。当たり前に暮らすことは簡単そうで意外とたいへんだ。
あっという間に一年など過ぎやしない。
朝起きる、仕事へでかける、ごはんを食べる、風呂に入る、夜寝る。
その繰り返しをたんたんとやること、あたりまえに暮らすこと、それがやっと
できるようになった。
年末になると築地へ行って魚を仕入れ、道場で稽古納めをして宴会をする。
それを繰り返していくと、やがて年中行事になり、文化になる。たんたんと
繰り返して行くことの大切さが、やっと身にしみて感じられるようになって
きた。新しい年ももうすぐだ。
【編集者の2行】
もうすぐ有馬記念。ディープインパクトのぬいぐるみがほしい。
タップダンスシチーのぬいぐるみはあるのだろうか。