毎日が本番

ライフログ

下北沢は誘惑の街だ。
 一昔前の吉祥寺の一部に似た、ごちゃごちゃ感がただよう。
 そのごちゃごちゃ感は、十条のそれとはちょっと違い、パンクでロックな感じだ。
 とにかく、下北沢に降り立つと、意味もなくわくわくしてしまう。


 B級というか、ジャンキーというか、好みのショップがやたら多い。
 意味不明のカエル顔のがま口¥300とか、レトロな水玉模様のグラス¥100
 とか、ウサギ柄の団扇¥200とか、はっぱ模様のハンドタオル¥100とか。


 食べ物だって、選ぶのに迷い困り途方にくれる。ミスドでドーナツを買った
 というのに、アンゼリカでカレーパンを買ってから、北欧でメロンパンに手を
 出し、さらにシェ・リュイをみつけて、あーここで買えばよかったと後悔する。
 こんな後悔を2度とすまいと思うばかり、げんこつ屋、山頭火、王将(これは
 そもそもパス)をながめ比べ、、、、、結局どこにも入れず地元で光麺に入って
 しまったりするのだ。


 今度こそ、地図を見て、計画的に行ってみよう!と思うのだが、どうしても
 それができない。とにかく地図を見ても何がなんだかわからない上、下北沢に
 降り立ったとたん、いろんな店に心奪われ、自分がどこをどう歩いているのか
 わからなくなってしまうのだ。
 それでもマジックスパイスにだけはいつか必ずたどりつくぞ!と毎週心に誓って
 いるのだが、なかなかその日がやって来ない。


 そんな下北沢に、再開発計画がある。
 遠くもない未来、あの路地裏は、「下北沢ヒルズ」と呼ばれるようになるの
 だろうか。ヒルズのコピーは作ろうと思えば、いくつでも作れる。
 しかし、下北沢の街は、作ろうと思って作れるものではない。
 街並みと訪れる人と時代がみごとなバランスで一体になっているあの感触。
 下北沢ビギナーの私だって、そこに、ある種特別の空気塊があることは、
 感じられる。
 再開発に反対する人々も多数いる。しかし今までの歴史上、ほとんどのことは
 カネと権力で決まってきた。
 いつまで続くかわからない下北沢を案じるよりも、今は1日でも多くあの街を
 散歩したい。
 

【編集者の1行だけ。】
 東京都大会がついに今週の土曜日になった。ドキドキだ。