この部屋に引っ越して、1年が経った。
月島の部屋に住んだ10ヶ月より、ついに長い期間住んだことになる。
勢いで引越してきたような気もするので、1年暮らしたというのは
ある意味驚きだ。
自分の好きなもの、必要なものとだけ一緒に暮らす、シンプルな毎日。
1年前、2年前はほしかったけれど、実はいらないということがわかり、
今は思い出しもしないアイテムもいっぱいある。
この部屋にひとりでいて、思考のどん底に落ち込んでしまうこともあった。
というか、今でも油断すると、時々落ち込む。
落ちそうになると、散歩にでかける。
暮らしなれた、渋谷区のフツーの街並みが、妙に落ち着く。
あくせくせずに生きることは、現代の東京ではかえって難しいのかもしれない。
あくせくしたいわけではないけれど、そうしていた方がかえって楽に感じてしまう、
ワーカホリック的カテゴリーの人々と次々とすれ違う。
そうして歩いているうちに、新宿までたどり着く。
シンプルになるにつれ、何が自分にとって大切なのか、だんだんはっきり
してくる。それでもまだ、たどりつきたい所は遠い感じがするのだが。
いつまでこの街で暮らすのか、いつまでこの部屋に暮らすのか、それさえ
気の向くままにしよう。
【編集者の2行】
人と人の間の磁石の強度や方向を、自分の想いどおりにコントロール
できたらどんなに楽だろう。。