東京が入梅した日、丸ビルへ行った。
恥ずかしながら、リニューアルオープンしてから初めての丸ビルだった。
かつて某都銀でDB開発をしていた頃、ランチで通った丸ビルの面影はなく、
そこにあるのは、ホノルルのオフィスビルを思わせる、吹き抜けのカフェだった。
なのに、なぜかビルのエントランスで、昔ながらの丸ビルの壁のタイルの匂いがした。
そんな浦島太郎的な感慨にふける間もなく、私の好みを熟知した友人に、
次から次へと売れ筋商品の解説を受けながら、2Fから4Fまで、目がまわるまで
ショップクルーズをした。
友達から2年前譲り受けたクツをまだ履いている私は、絶対今日こそクツを買おうと
思い、クツ屋を3,4件はしごし、20足程度のクツを履いてみたけれど、まだまだ
決められず、ああ、今日も買えなかった。。。と落ち込みつつも、「絶対買うと思った
から、私は買うのをやめておいた」と友達が言うニットをまんまと買い、それでも
あきたらず、試着室に長蛇の列ができるまで、試着を繰り返した。
東京は、おそろしい速さで時間が流れている。私にとっての体感速度は、もはや
ドッグイヤーどころのものですらない。
東京で生まれ育ったはずなのに、置いていかれてしまっている、、というこの卑屈感。
油断すると、人の目を見て話ができなかったり、プチ引きこもりになりそうな、自分が
いる。
そんな私を救おうと、研究に研究を重ね、私をショップクルーズに連れ出してくれた
友達に、心から感謝だ。
買い物でくたくたになり、 5Fでパスタを食べ、丸ビルを出るときには、もうあの
タイルの匂いはしなかった。そのかわり、ひさしぶりのトーキョーが、新しい私の
日常になりつつある、そんな予感がした。
【編集後記】
先週の「東京散歩」で「ほたるの夕べ」はもうやっていないかも、
と書いたところ、読者の方から、「少なくともおととしまではやっていま
した。まだきっとやっています」というメールをいただきました!
というわけで、調べてみたら、5・22に椿山荘で蛍の羽化が確認された
そうです。まだ生きてるかな。。。早速いってみないと!