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１０年来の友人の家に、ひさしぶりに遊びに行った。


　時には、毎日のようにランチにでかけ、ある時は１年近く会わないこともあったのだが、
それでも何も気にせず、気が向けば一緒に散歩にでかけた友人の家だ。


　ふと部屋に入ると、見覚えのある小物が、あちらにもこちらにもあった。。
　貝殻や、クマの人形、くつ下、バスソルト、マドラー。。。。
　一緒に行った旅行で買ったものや、何かのときにプレゼントしたものが、部屋中に
ころがっていたのだ。よくこんなものを、、と呆れるような物が、大切においてあったのだ。


　私自身が忘れていた、昔の私が、走馬灯のように思い出された。


　私は、確かに、生きていたんだ、、と思い、涙が浮かんだ。
　


　転職をしたり、起業をしたり、退職をしたりする度に、自分自身、ステップアップをしようと
思うあまり、いろいろなものを捨てたり、忘れたりしようとしてきた。
　自分自身では、なんとか成長しようとするのに精一杯で、大切なものが何なのか、
捨ててはいけないものは何なのか、気づかずにいた。
　自分でも無意識に、一生懸命生きていた過去の自分を葬り去ろうとしていたのだ。


　けしてパーフェクトではないけれど、元気に、一生懸命、つまづきながらも生きていた
そんな私が確かに存在したことを、その友人の部屋は教えてくれた。そんなふうに
私の記憶をとっておいてくれた友人は、私の魂の恩人だと思った。


　今の自分は、思い通りの自分ではないかもしれない。でも、不完全ながらも、
一生懸命生きている、そんな自分を大切に生きていこうと思った。そしてまた、
そんな大切な友人を今までよりもっと大切に生きていこうと思った。　　



【今日のマウイ】
マウイは思ったよりもすずしいです。
日本人観光客は、戦争の影響 でかなり減っていますが、
アメリカ本土からの観光客は依然多く、ワイレアの人気ホテル、ケアラニは
今日も満室に近いようです。