毎日が本番

ライフログ

 裏の商店街を歩いている途中で、今年の神宮1発目が打ちあがった。
 浴衣の人々にまぎれながら、さくさく歩いて今年のベストポジションを
 みつけて座り込む。

 神宮の花火は、ちょっと小ぶりだが、かなり近くで迫力を感じられるところが
 とても好きだ。近所の八百屋やクリーニング屋の合間に座って鑑賞できる
 ところもなかなかステキだ。

 昨年、ひとり浴衣を着て商店街の坂の途中でながめたことを思い出す。
 あの夏の日から1年経ったんだ、としばししみじみとしながら、神宮球場
 上空をながめた。
 普通に東京で1年暮らして、同じ花火を同じ場所で普通に見れたことが、なんか
 とってもうれしかった。

 「花火ちょーキレイ。来年は一緒にみようねー!」とメールしたりする。
 そんな保障など、何もないのに、瞬間盛り上がる。
 
 「花火なんて、毎年見れるし。今、忙しいし。」と思っていた頃の方が
 長かった。花火開催日がいつなのかさえ知らない年だって沢山あった。
 今だってややもすると、「ちょっと体調悪いし、忙しいからまたにして
 おこうか」と思いそうだ。

 日々の生活はそれほど味気なく、忙しげに過ぎていく。でもそんな時だから
 こそ、花火は絶対見たい。私がどんなに花火好きかは、言葉で表すのは
 とういてい無理だ。
 毎年同じようで、毎年ちょっとずつ進歩している花火。あっという間に過ぎ
 去ったようで、いろいろあった1年。
 来年また神宮の花火が見れるまで、1日1日を大切に積み重ねて過ごしたい。


【編集者の2行】
 先週ここに「地震の次は雷のはず」と書いたら、日曜に落雷があった。
 ヤバイ。もう何も来なくてよい。